植物肉「ミラクルミート」のDAIZと丸紅が資本業務提携、米国の植物肉市場進出に向けたマーケティングを共同で開始
発芽大豆由来の植物肉「ミラクルミート」を開発・製造するスタートアップであるDAIZ株式会社(本社:熊本県熊本市、代表取締役社長:井出 剛、以下「DAIZ」)は、丸紅株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:柿木 真澄、以下「丸紅」)と資本業務提携を行いましたことをお知らせします。本提携に合わせて、米国の植物肉市場進出に向けたマーケティングを共同で開始することに合意いたしました。
■本資本業務提携の背景
これまで食品メーカーは、植物肉において、風味や食感に残る違和感、添加剤・マスキングの工程によるコスト増、環境負荷の高さなどの課題を抱えていました。丸紅社のネットワークにおいても植物肉のニーズは高く、「ミラクルミート 」はこれまでの課題を解決するものであり、美味しさ・食感など肉としての完成度の高さ、素材の良さを引き出すことで添加物不要で低コストで製造できること、環境負荷の低いサスティナブルな食品であることが評価され、この度の資本業務提携の運びとなりました。丸紅社は国内のみならず、海外へも強力なネットワークを持っており、穀物の集荷網、畜産メーカーの販路などのアセットが強みです。この丸紅社の強みとDAIZの技術力を掛け合わせ、新しい領域のビジネスの挑戦として、米国市場への進出を目指します。
■丸紅株式会社様よりエンドースメント
丸紅株式会社 食料・アグリ・化学品グループCEO 食料本部長 寺川 彰
この度の提携で米国の植物肉市場進出に向けた共同マーケティングを実施することとなり、大変嬉しく思います。当社は米国をはじめ先進国中心に増加傾向にあるエシカル消費に対応すべく、地球環境に配慮した植物肉市場への参入を検討して参りました。
DAIZ社は余分な添加物や加工助剤を使用せず、大豆の「発芽」という生理現象を応用した革新的な技術で、肉に近い食感・風味を実現した植物肉原料を製造販売しています。当社が求める真に「サステナビリティ」、「美味しさ」を追求した商品となっており、今回の資本提携の決め手となりました。既に提案しているお客様からも高い評価を受けており、更なる販路拡大を目指して連携していく所存です。
国内はもとより、当社の強固な穀物調達ネットワーク、グローバルなマーケティング機能を活かして国内、世界へ「美味しい」植物肉原料を提供して参ります。
■DAIZの発芽大豆由来の植物肉「ミラクルミート」について
2050年までに地球上の人口は100億人に達すると予測されています※1。世界的な人口増加と新興国の経済成長により、2030年にはタンパク質の需要に供給が追い付かなくなる「タンパク質危機」が起こり、タンパク質の需給がひっ迫することで、これまで以上に食肉価格の高騰が予想されています。そこで、「植物肉」が代替タンパク質として注目されており、その市場は世界で9兆円を超えると見込まれています※2。
植物肉が、牛肉・豚肉・鶏肉と同じように食卓に並ぶ時代が到来しています。
これまでの植物肉に使用されてきた主原料は大豆搾油後の残渣物(脱脂加工大豆)であったため、①味と食感に残る違和感、②大豆特有の青臭さや油臭さ、③肉に見劣りする機能性(栄養価)といった課題が残っており、本格的な普及の妨げとなっていました
DAIZの植物肉は、原料に丸大豆を使用しています。さらに、独自の発芽技術によって、これまでの課題を解決する植物肉「ミラクルミート」の開発に成功しました。
<DAIZの植物肉「ミラクルミート」の特徴>
特徴1.原料に丸大豆を使用
これまでの植物肉は、大豆搾油後の残渣物である脱脂加工大豆を主原料としていましたが、DAIZの植物肉「ミラクルミート」は原料に丸大豆を使用しています。さらに、オレイン酸リッチ大豆を使用することで、大豆特有の臭みを無くし、異風味を低減しています。
特徴2.旨味や栄養価を増大、肉様食感を再現する独自技術
味や機能性を自在にコントロールするコア技術「落合式ハイプレッシャー法」※3で大豆を発芽させ、旨味や栄養価を増大させます。その発芽大豆をエクストルーダー(押出成形機)※4にかけ、膨化成形技術※5により、肉のような弾力と食感を再現しています。これらの独自技術により、異風味を低減した植物肉「ミラクルミート」を製造しています。
特徴3.独自製法による価格競争力
旨味や栄養価が増大した発芽大豆を使用しているため、他の原料や添加物を何も足さずして、植物肉原料が完成しています。発芽タンクを用いた独自の製造プロセスにより、原価低減を実現し、牛肉・豚肉・鶏肉に対し、価格競争力があります。
▲DAIZの植物肉「ミラクルミート」の製造工程
<大学との共同研究に裏付けされた技術>
共同研究機関として下記の大学と連携しています。
◾️九州大学(松井 利郎 教授):植物肉に含まれる旨味成分の評価
◾️京都大学(後藤 剛 准教授):植物肉の栄養素の吸収性の評価
◾️佐賀大学(穴井 豊昭 教授):非遺伝子組み換え大豆からオレイン酸リッチ大豆の育種
※1 国連推計「世界人口推計2019年版」より。
※2 UBS調べ。
※3 大豆の発芽中に酸素・二酸化炭素・温度・水分などの生育条件を制御し、酵素を活性化させることで遊離アミノ酸量が増加し、素材の旨味を引き出す栽培法。(特許第5722518号)
※4 食品加工時に使用される機械。材料に水を加えながら、高温下でスクリューで圧力をかけ押し出すことにより混練・加工・成形・膨化・殺菌等を行う装置。
※5 特許申請準備中。
■DAIZのサスティナビリティ、地球温暖化の解決に寄与する植物肉
昨今、地球温暖化が私たちにとって大きな課題となっています。国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)」に対し、DAIZは地球温暖化の解決に寄与する「植物肉」を普及させることにより、目標達成に向けて貢献しています。
地球温暖化は、二酸化炭素・メタン・一酸化炭素・フロンなどの温室効果ガスが原因と言われています。温室効果ガスの最も大きな排出源は電力(火力発電など)ですが、同等に大きな排出源となっているのが、農業・畜産業※6です。世界で飼育されている15億頭もの牛による二酸化炭素や腸内ガス(メタン)の排出が温室効果ガスの大きな要因となっており、私たちの食生活の見直しが求められています。
植物肉は、畜産に代わる「次世代のお肉」として、温室効果ガスの排出を抑える効果の高い植物性食品です。地球温暖化を防ぐため、私たちが今からでもできることは、なるべく地球にやさしい植物肉を食生活に少しずつ取り入れることです。牛・豚・鶏に次ぐ、「植物肉」の普及を通じて、DAIZはサスティナブルな世界を目指してまいります。
※6 IPCC「Global Greenhouse Gas Emissions Data」より。
■会社概要
商号:丸紅株式会社(https://www.marubeni.com/jp/)
代表者 :代表取締役社長 柿木 真澄
所在地 :〒103-6060 東京都中央区日本橋二丁目7番1号 東京日本橋タワー
設立 :1949年12月1日
資本金 :2,626億8,600万円
事業内容:ライフスタイル、情報・不動産、フォレストプロダクツ、食料、アグリ事業、化学品、エネルギー、金属、電力、インフラプロジェクト、航空・船舶、金融・リース事業、建機・産機・モビリティ、次世代事業開発、その他の広範な分野における輸出入(外国間取引を含む)及び国内取引の他、各種サービス業務、内外事業投資や資源開発等
商 号:DAIZ株式会社(https://www.daiz.inc/)
代表者 :代表取締役社長 井出 剛
所在地 :〒860-0812 熊本県熊本市中央区南熊本五丁目1番1号 テルウェル熊本ビル7階
設立 :2015年12月1日
資本金 :6億4,004万円(累計資本調達額16.3億円)
事業内容:大豆由来の植物肉原料「ミラクルミート」の開発・生産及び販売
大豆由来の植物肉原料「ミラクルミート」を用いた食品の開発・生産及び販売
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